torutkのブログ

ソフトウェア・エンジニアのブログ

Eclipseの日本語化事情

昨日CodeGearのDevCampでいがぴょんこと伊賀敏樹さんがEclipse日本語化についてのお話しをしていました。Eclipse 3.3での日本語化の状況は混乱状態であったので、セッションを聞いて状況について整理することができました。

以下に、利用者側の観点でEclipseの日本語化について整理してみます。

Eclipse 3.3 / 3.4 の日本語化

Eclipse 3.2まではIBMが日本語化作業を行ってNLpack(言語パック)日本語版をリリースしていましたが、3.3以降はコミュニティで頑張ってねということでNLpackでの提供はなくなりました。

そこで、Eclipse 3.3(Europa)および今月正式リリース予定のEclipse 3.4(Ganymede)では別な方法で日本語化を行います。現状では以下の3つの方法があります。

  1. Pleiades プラグイン
  2. 日本語化プラグインサードパーティ版)
  3. Eclipse Babelプロジェクト

それぞれ特徴があり、一概にどれがいいとは言えないようです。人それぞれ意見があるでしょうが、まずPleiadesプラグインを使い、困るようであれば日本語化プラグインサードパーティ版)を使うというのが今の考えです。

Pleiadesプラグイン

http://mergedoc.sourceforge.jp/
AOPによってEcipseが文字列を読み書きしている箇所にフックをいれて、文字列の英語を日本語化する仕組みです。リソースバンドルの読み込みの他、GUIへのテキスト設定にもフックを入れてるそうです。日本語化対応するプラグインも百以上と豊富です。
ただ、プラグインをたくさん入れていると重くなるようです。

zip形式で展開するのでクローズな環境でも簡単にインストール可能。

日本語化プラグインサードパーティ版)

http://www.igapyon.jp/blanco/nlpack/eclipse/
伊賀さんの属するBlanco Frameworkプロジェクトの一部として作成・公開しているプラグインです。Pleiadesを活用して事前にプロパティを日本語化し、さらに翻訳・見直しを行いそれを言語パックとして提供しています。
Pleiadesとの違いは、事前に人間系で翻訳するので、Pleiadesの仕組みでは同じ単語は同じ訳語になるところを、使用される場所によって日本語を変えられることです。
ただし、プラグインの日本語化対応は少ないようです。

zip形式で展開するのでクローズな環境でも簡単にインストール可能。

Eclipse Babelプロジェクト

http://www.eclipse.org/babel/
Eclipse本体では、Babelプロジェクトにて各国語対応を行っています。BabelプロジェクトでEclipseの各国語プロパティを作成するツールとリポジトリを提供し、各コミュニティで翻訳を行って登録できる仕組みを提供しています。また、登録された各国語のプロパティはアップデートサイトとして公開されているので、Eclipse上からプラグインとして取り込むことが出来ます。
現在Babelプロジェクト上の日本語プロパティの提供は、日本語化プラグインサードパーティ版)の成果をフィードバックしているものとのことです。

今のところオンラインでの更新のみで、クローズな環境での利用は困難。