はじめに
前回の本と台風とコロナ禍と
Java読書会BOF 主催のJava読書会は、昨年2019年11月から毎月1回のペースで「The Java Module System」(洋書)を読む会を開催し、先月2020年9月に読了しました。
この本の読書会期間中には、台風直撃とコロナ禍と大きな出来事が重なりました。
台風による中止
まず、予定していた第1回(2019年10月12日)は関東に台風19号が直撃し、中止としました。この台風では、鉄道の運休、多摩川の氾濫が発生するといった状況のため翌月に延期となりました。Java読書会BOF主催の読書会は毎月開催をしていますが、これが途切れたのは2001年6月以来で18年ぶりのことでした。
オンライン(Web会議)開催
また、2020年4月7日にはコロナ禍による緊急事態宣言が発出され、4月11日(土)に予定していた第6回は会場での開催ができなくなり、初のオンライン開催となりました。
緊急事態宣言の発出がほぼ確実視された時点でオンライン読書会を実施するためのサービスを調べました。当時の調査結果は次です1。
Java読書会オンライン開催検討 - ソフトウェアエンジニアリング - Torutk
この中から、読書会参加人数の平均である11人程度をカバーし、開催時間である朝10:00~夕17:00までの7時間をカバーするサービスで無償なものとなると、Microsoft Teamsの無償版がほぼ一択でした。そこで、第6回~8回(4月、5月、6月)はTeamsを利用したオンライン開催としました。
読書会開催データ
2019年9月時点での読書会開催に関するデータです。
項目 | 値 |
---|---|
開催回数 | 257回 |
書籍数 | 39冊 |
総ページ数 | 15,183ページ |
1回の平均ページ数 | 59ページ |
平均参加人数 | 11人 |
のべ参加人数 | 2,821人 |
10月からの本
Java読書会の継続に影響を及ぼす事象は自然災害だけではなく、Java技術に関する読書会向きな書籍の候補がでないという事象もあります。世の中的に出版不況や技術書籍の刊行が(初心者向けの入門本を除くと)不調というのがあるのかもしれません。
このような中、課題図書の候補のリストアップと投票を実施したところ、「データ指向アプリケーションデザイン」に決まりました。
投票の状況は次のとおりです。1票差と接戦でした。
書籍名 | 投票数 |
---|---|
データ指向アプリケーションデザイン | 9票 |
マイクロサービスパターン | 8票 |
テスト駆動開発 | 2票 |
実践テスト駆動開発 | 1票 |
Design It!ープログラマーのためのアーキテクティング入門 | 1票 |
著者(Martin Kleppmann氏)について
著者の自己紹介ページ https://martin.kleppmann.com/
著者のMartin Kleppmannは現在英国ケンブリッジ大学で分散システムの研究者(Senior Research Associate/Affiliated Lecturer)。以前はソフトウェアエンジニア&起業家として活動。 また、オープンソースプロジェクト automerge、apache avro、apache samza の貢献者。 分散システムに関するカンファレンスのスピーカー。
内容(超概要)
分散システムにおいて主にデータを扱うシステムを構築するための様々な技術(原理)を解説しています。 データモデル、ストレージ、レプリケーション、パーティショニング、トランザクション、一貫性と合意、バッチ処理、ストリーム処理といった章題が並びます。
この書籍の感想ブログへのリンク
この書籍について感想を書かれているブログが多数ありました。 検索で見かけたものをいくつかピックアップします。
-
2020年4月10日時点の情報で、その後コロナ禍対応のためそれぞれのサービスが向上しています。↩