数日前にRedmine 3.3.0がリリースされました。また、このリリースはRedmineが最初にリリースされた2006年6月25日から10周年記念リリースとのことです。
http://www.redmine.org/news/108
Redmine 3.3.0 リリース | Redmine.JP Blog
日本では、10周年記念イベントが松江と大阪で開催されるそうです。
https://www.farend.co.jp/news/2016/06/redmine-10th/
https://agileware.doorkeeper.jp/events/47466
(2016-06-27追記)東京でも開催されます。
http://redmine-tokyo.connpass.com/event/34823/
さて、www.torutk.comのRedmineを3.3.0にバージョンアップしようと思いました。今回のリリースはは、100個以上の修正が入っており、事前に自宅PCの仮想ゲスト群の中から、CentOS 6 + Redmine 3.0/Unicorn/Nginx環境を3.3.0にアップデートして動作を確認しました。
Redmineアップデートの手順は、前にはてな日記に書いた2.6.1→3.1.0のアップデートをなぞって実施しました。
[Redmine]Redmine 2.6.1から3.1.0へのバージョンアップ - torutkの日記
まず、Redine 3.3.0ではRuby 2.3に対応したので、これを機会にRuby 2.3.1をインストールします。Ruby 2.3.1はあらかじめRPMパッケージとして構築しておき、それをインストールしています。
CentOS 6でrubyのRPMパッケージを作る - ソフトウェアエンジニアリング - Torutk
システムのRubyを更新するときは、gemのbundlerをインストールします。それ以外のgemは、Redmineをインストールした中にRedmine専用にインストールします。
次に、Redmine 3.3.0を展開し、設定ファイルをコピーし、bundlerでRedmineに必要なgemをインストールします。プラグインをコピーし、プラグインを最新に更新しておきます(リポジトリからクローンしておくと更新が git pull を実行するだけとお手軽です)。
RedmineのDBマイグレーションを実行し、セッションキーを生成しておけばほぼ終わりです。
ところが、今回はUnicornの起動でコケてしまいました。Unicornはgemで配布されていますが、上述の手順では、Unicornはその時点での最新版がインストールされます。本日時点では、Unicorn 5.1.0がインストールされました。Unicorn 4.x の設定ファイルではエラーになる箇所がありました。以下がこの問題に対処した経緯です。
http://www.torutk.com/issues/59
今回はこのUnicornの設定以外では躓く個所はなくアップデートすることができました。
自宅マシンで確認がとれたので、www.torutk.comのRedmineを3.2.1から3.3.0にアップデートしました。
Redmineを使っている理由
Redmineを使い始めたのは2009年頃からです。チケット管理とWikiとリポジトリ閲覧を中心に、フォーラム機能を補足的に使っています。
チケット管理は、最初は不具合管理として使い始め、のちにチケット駆動開発としてタスク管理や、貸出品の管理、計算機の管理などに使っています。
Wikiは、設計情報、手順、調査記録などを共有するのに使っています。Redmineを使う前はPuki Wikiを使っていました。プロジェクトによっては不具合管理をRedmineで、Wikiは従来通りPuki Wikiでという使い方もあるようです(コンテンツの移行が手間なので)。
リポジトリ閲覧は見やすいので、便利に使っています。
フォーラム機能は、会議記録などに使っています。
これらの機能が合わさってプロジェクトの情報共有の核となっています。
世の中的には、Redmineは使いにくい、Aがいい、Bがいい、といろいろ情報があります。
かんばん的タスク管理だけ、チケット管理だけ、リポジトリ管理だけ、なら確かにRedmineの個別の機能より使い勝手のいいものはいろいろあるように思います。
もし、情報共有の核として必要な機能が揃って、かつ使い勝手が良いツールがあれば乗り換えていたと思いますが、現在に至るまでこの情報共有の核となるにふさわしいツールには出会えていません。
企業で使用する場合の課題についてですが、オープンソースプロジェクトのように情報をすべて公開してもよいのであれば、インターネット上のWebサービスで提供される情報共有を利用できると思います。しかし、企業の情報は少なからず企業秘密が含まれるのでNDA(秘密保持契約)を締結せずにインターネット上のサービスを利用するのは、なかなか難しいかと思います。また、プロジェクトによっては客先とのNDAで同じ社内でもプロジェクト外には情報を見せられないというものもあるかと思います。この場合、プロジェクトで閉じた環境で開発をすることもあり、このような環境では、PC1台あれば情報共有の核となれるRedmineのようなツールは重宝します。