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ソフトウェアエンジニアリング-実践的オブジェクト指向開発

今週の通勤鞄の書籍はこれ。

ソフトウェアエンジニアリング (Object Oriented SELECTION)

ソフトウェアエンジニアリング (Object Oriented SELECTION)

事実上積読だったのを久々に見返しているところです。ソフトウェアの成果物の現し方の参考として見ていたのですが、この本ではソフトウェア要求仕様を2つの観点(対顧客向けの合意、開発者向け開発仕様)で検討するアプローチを取っています。なかなか秀逸です。ソフトウェア要求仕様の構成方法としてIEEE830を取り入れながらオブジェクト指向スタイルに変えています。このあたりも標準性とオブジェクト指向とをバランスを取っています。

なお、世の中のオブジェクト指向分析、特にUMLによる〜といった書籍では、要求仕様の記述にユースケース記述とドメインクラス、あってもアクティビティ図といったものだけで構成するかの勢いです。しかし、IEEE830をベースとしたこの本では、いわゆる非機能要件やハードウェア制約といった観点もソフトウェア要求仕様書に含んでおり、必要な検討が漏れないような構成となっています。