macOS上でOpenJDKディストリビューションを使う
はじめに
Javaプログラミングをするには、OpenJDKディストリビューションと呼ばれるJava開発キット(Java Development Kit)の中から適したものを選択しインストールします。
ここで、OpenJDKとは、GPLv2クラスパス例外のライセンスで提供されるオープンソースプロジェクトとその成果物であるソースコードです。このOpenJDKソースコードをいくつかの組織がビルドしてJavaプログラミングをする開発者にバイナリとして提供しているのがOpenJDKディストリビューションとなります。
OpenJDKディストリビューションは、macOS向けに提供されているものが多くあります。macOS上でJavaプログラミングをするには、これらOpenJDKディストリビューションの中から適したものを入手してインストールします。
macOSに対応しているOpenJDKディストリビューション
いくつかOpenJDKディストリビューションを列挙します。
- Oracle社が提供する商用製品 Oracle JDK
- Oracle社がGPLv2 classpath例外ライセンスで提供するOracle OpenJDK
- Eclipse財団がGPLv2 classpath例外ライセンスで提供する Temurin
- Azul Systems社がGPLv2 classpath例外ライセンスで提供するZulu、および ZuluFx
- Amazon社がGPLv2 classpath例外ライセンスで提供するCorretto
- BellSoft社がGPLv2 classpath例外ライセンスで提供するLiberica JDK
- Microsoft社がGPLv2 classpath例外ライセンスで提供するMicrosoft build of OpenJDK
- SAP社がGPLv2 classpath例外ライセンスで提供するSapMachine OpenJDK
かなり多数あるため、選択肢が非常に多く迷ってしまいます。
Oracle JDK
商用製品なので有償となりますが、Oracle JDK 17では期間限定で無償利用できるOracle No-Fee Terms and Conditions(NFTC)ライセンスが追加されました。これは、次のLTSバージョンリリース日から1年後までの間、商用利用でも無償で利用できるライセンスです。ただし、その期限を過ぎるとNFTCライセンスが失効した後のアップデートはOracle Technology Network(OTN)ライセンスが適用されるためでの提供となる、商用利用がライセンス違反となってしまう点に注意が必要です。
サポート期間が相当に長く、Oracle社から技術サポートが提供されるので、安定した運用に適しています。
Oracle OpenJDK
サポート期間が半年(次のバージョンがリリースされるまで)と短いですが、無償で利用できます。 新しいバージョンを次々試すといった用途に適しています。
JavaFX同梱JDK
Azul Systems社が提供するZuluFxと、BellSoft社が提供するLiberica JDK full版には、JavaFXが同梱されています。JavaFXライブラリを利用したJavaアプリケーションの開発・実行にはこれを利用すると便利です。 LTS版については長期間アップデートが提供されます。
macOSへのOpenJDKディストリビューションのインストール
OpenJDKディストリビューションの提供元サイトから個別にOpenJDKのインストールイメージをダウンロードする方法の他、Homebrewでインストールすることもできます。
OpenJDKディストリビューションは、四半期毎にアップデートがあるので、個別にチェックするのはかなり手間となります。そこで、Homebrewのようなソフトウェアパッケージ管理ツールを使ってインストールやアップデートするのが便利です。
HomebrewでOpenJDKディストリビューションをインストール
Homebrewは、macOSで主にオープンソースのソフトウェアパッケージをインストールするサードパーティ製(Apple以外)の管理ツールです。OpenJDKディストリビューションはいずれもHomebrewを通じてインストールすることができます。
HomebrewでOpenJDKを選択、インストールする情報について、以下のWikiに記載しています。