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タイプ量が少ないから簡潔かつ分かりやすいのか?

2月1日の日記の続きです。
オブジェクト倶楽部のメールマガジン2006-07号の記事「Rubyで進むオブジェクトの道」に、

JavaRubyで上記のプログラムを比較したとき、わかりやすいかは好みにより
ますが、タイプ量や、記述の簡潔さはRubyのほうが勝っていることは間違いあ
りません。

との論拠で、タイプ量が少ないからRubyや良し、という記事です。
このパターンでRubyJavaを比較している記事を目にするようになりました。

例として取り上げているコードは、Rubyのattr_accessorを用いては属性(フィールド)のセッター/ゲッターを省略し、タイプ量を少なくしているものです。

これは単純なフィールドのアクセスの場合は便利な機能ですが、シンタックス・シュガーに過ぎない機能をもって言語の優劣を例証しているのはいただけないです。

そもそもタイプ量が少ない=簡潔という論拠は乱暴に思います。
また、使い捨て的にコードを書くスクリプティング環境と保守・再利用性も加味したプログラミング環境の違いをおいて言語の比較をすることには意味を感じません。

たとえば範囲チェックをする必要が生じた場合、Rubyのコードは一気にタイプ量が増えるのではないでしょうか?

「日本のソフトウェアエンジニアリングは、タイプ量の多寡をもって技術的な比較をするような低水準なものなのか?」と言いたい。