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衛星軌道の長軸半径からTLEの平均運動への変換計算が合わない

昨日の日記で使用した式に、検証のため値を入れて計算したところ、計算結果が合わない!という事態に。
人工衛星の軌道6要素とTLEとの違い(軌道長半径と平均運動の変換) - torutkの日記

軌道6要素の長軸半径に、静止軌道の円軌道の半径である約40,000km*1を使用し、地球重力定数GM)に約4.0e+14*2を使って計算してみます。

平均運動の計算式は次です。

n = sqrt(GM / a^3)
n:平均運動
GM:地球重力定数
a:長軸半径

静止軌道は、軌道を1日で1周まわるので、平均運動は1.0となればよいことになります。
計算をしてみると

n^2 = 4.0e+14 / (40000000^3)
n^2 = 4.0e+2 / (4000^3)
n = 7.9e-5

ととても小さな値に・・・

調べてみると、次にほぼ答えが記載されていました。
orbital mechanics - How to get semi-major axis from TLE? - Space Exploration Stack Exchange

TLEの平均運動は、単位が[回転/日]です。
一方、ケプラーの法則から導かれる平均運動の式は、単位が[ラジアン/秒]です。
そのため、86400/2π を乗じる必要があります。

先ほどのの計算結果にこれを乗じてみます。

n' = n * 86400 / 2π
   = 7.9e-5 * 86400 / (2 * 3.14)
   = 1.088

と、ほぼ1日で1周する値となりました。

Wikiの方はこの単位変換に伴う計算を追記しました。
衛星軌道 - ソフトウェアエンジニアリング - Torutk

*1:正確には、WGS84の赤道半径6,378.137kmと地表から静止衛星軌道までの高さ35,786kmを加えた42,164.137km

*2:正確には3.98600441e+14 [m3/s2]